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トヨタ・モビリティ基金、マレーシアの首都クアラルンプール市において、データを活用した革新的な都市モビリティの実現を目指すプロジェクト「City Architecture for Tomorrow Challenge CATCH」の実証実験結果を発表

一般財団法人トヨタ・モビリティ基金(Toyota Mobility Foundation、以下「TMF」)は、2020年2月より、 クアラルンプール市(DBKL)、マレーシア・デジタルエコノミー公社(MDEC)などのパートナーやプロジェクト運営のデロイト社と共に、首都クアラルンプール市において、データを活用した革新的な都市モビリティの実現を目指すプロジェクト「City Architecture for Tomorrow Challenge(CATCH)」を展開しておりましたが、約3年におけるプロジェクトの終了にあたり、これまでの成果を発表いたしました。

CATCHは2021年7月に世界20カ国から応募のあった97チームの中から段階的に選考を行い、最終審査では、「クアラルンプール市民の生活の質の向上に貢献する」という本コンテストの目的と、「すべての人に移動の自由を」というTMFの想いを踏まえながら、様々な分野の専門家から構成される審査員チームにより、「創造性」、「実現可能性」、「持続可能性」等の基準に基づき評価が行われ、米国の Numina 社、オーストラリアの KERB 社を優秀提案チームとして選定しました。

Numina社は、センサーやプライバシー保護技術を使い、路上や公共の場での人や物の動きを分析・予測して交通インフラの整備に活用、KERB社は、民間・公営駐車場の使用状況を把握し、スマホアプリで予約・料金支払いすることで空きスペースの活用を促進する技術を展開し、交通やデータに関するクアラルンプール市の専門家と連携しながら、実証実験を行いました。

主な活動と実証実験結果

Numina社は市内の交通の要に9つのセンサーを設置、データ解析等も含めた実証実験を通じて、下記改善の可能性があることがわかりました。

  • 市場もあり歩行者が多いチョウキット通り(Jalan Chow Kit)は、歩道橋があるにも関わらず、歩行者は道路を横断する行動をとる傾向があり、二輪、四輪と歩行者の衝突しうるポイントを特定することで事故を回避することが可能。
  • 市内屈指の繁華街であるブキッ・ビンタン(Bukit Bintang)の交差点では、週末や平日の歩行者が多い時間帯に信号機の滞留時間を最適化することで交通の流れを改善することが可能。
  • 1日に3,000 人以上もの横断歩行者がいる市内のゴンバック通り(Lorong Gombak) とトゥンク アブドゥルラーマン通り(Lorong Tuanku Abdul Ramahn)の間に横断歩道や方向転換車線を設置することで、横断歩行者と車両との衝突を減らすことが可能。

Numina社は今後、これらの実証実験により得た知見・データ分析を基に、具体的に都市交通システムを強化すべく、クアラルンプール市に提案していきます。

  • 主な活動と実証実験結果。

    写真1

  • 主な活動と実証実験結果。

    写真2

  • 主な活動と実証実験結果

    写真3

写真 1:歩行者 (緑のボックス) と車両 (赤のボックス) の Numina社 コンピューター ビジョン画像
写真 2:ゴンバック通り におけるNumina社 のコンピューター ビジョン画像。左折するドライバー (青の線) と、直進する他の車両 (他の色) との間の潜在的な衝突ポイントを示しています
写真 3:ゴンバック通りからトゥンク アブドゥル ラーマン7通りに方向転換車線を反映した画像

同様に、KERB社は市内6箇所の駐車場へのソリューションの導入を通じて、下記のことがわかりました。

  • 民間・クアラルンプール市公営駐車場の予約数合計で2,000 件以上増やすことに成功。また、大半の ユーザーが、家から車で駐車場に向かい、公共交通機関を利用してオフィスに行く通勤者であることを確認でき、リピート率は94%と駐車場の高い需要があることを確認。
  • クアラルンプール市公営駐車場では、KERBを使った駐車場利用客のリピート率は79%を達成。アプリについて、複数の決済方法が選択できる機能と、アプリから駐車場の空き状況を確認できる機能について96%の ユーザーから高い評価を獲得。

CATCHのプロジェクトを通じ、KERB社は、民間・クアラルンプール市公営駐車場全体へのソリューション展開をサポートすることで、駐車場へのアクセスを増やすことができました。

  • 同様に、KERB社は市内6箇所の駐車場へのソリューションの導入を通じて、下記のことがわかりました。

    写真4 KERB社 クアラルンプールでの実装

  • 同様に、KERB社は市内6箇所の駐車場へのソリューションの導入を通じて、下記のことがわかりました。

CATCHプロジェクト結果概要【TMF CATCH Overview of Findings】(英文のみ)

CATCH概要ビデオ(英語のみ)

トヨタ自動車は創業以来、お客様、ビジネスパートナー、従業員、そして地域社会等、全てのステークホルダーを尊重しながら、自動車を通じた豊かな社会づくりを目指して事業活動を行なっています。そして、より公益的な活動を行うことを目的に、2014年8月、TMFを設立しました。

TMFは、誰もが自由に移動できるモビリティ社会の実現に向け、幅広いプロジェクトを通じて世界中の移動課題の解決に取り組んでいます。

今後も、トヨタグループが事業活動を通じて培った技術やノウハウを活用し、多様なパートナーとの協働を通して、国連が定めるSDGs(持続可能な開発目標)の考え方にも沿った活動を進めながら、人々が心豊かに暮らせる社会の実現に向けて貢献していきたいと考えています。

今回の取り組みに関連する SDGs の目標:
  • 03 全ての人に健康と福祉を
  • 09 産業と技術確認の基盤を作ろう
  • 10 人や国の不平等をなくそう
  • 11  住み続けられるまちづくりを
  • 17  パートナーシップで目標を達成しよう

参考資料

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