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2016学年度、次世代モビリティ・チャレンジにて 車いす利用者向けの配車サービスを提案した ジョージア工科大学のチームが優勝

一般財団法人トヨタ・モビリティ基金(Toyota Mobility Foundation。以下、「TMF」)が協賛した、次世代モビリティ・チャレンジ(Next Generation Mobility Challenge。以下、「NGMC」)の優勝チームが決定した。
NGMC とは、ミレニアル世代に、未来のモビリティのあり方について考え、より良いモビリティ社会の実現のために、具体的な方策の提案機会を提供することを目的としたアイディアコンテストである。2年目となる2016学年度のテーマは「すべての人へのモビリティアクセスの公正な提供」であり、TMF 並びにトヨタ・モーター・ノース・アメリカ株式会社(以下、TMNA)の協賛のもと、非営利組織ネット・インパクトにより、2016 年秋から開始され、全米15大学で開催され約600名の学生が参加した。2017 年4 月の最終選考にて、ジョージア工科大学の車いす利用者に柔軟な移動手段を提供するサービス「パラ・ピックアップ(※1)」を提案したチームが優勝した。

「パラ・ピックアップ」は、車いす利用者向けのオンデマンド配車サービスである。現在、公共交通機関でもパラトランジットサービス(障がい者の交通起点から目的地への移動のための集合送迎サービス)を安価に提供しているものの、個別の要望を反映した柔軟なサービスの提供が難しく、また配車スケジュールも遅れがちという問題を抱えている。優勝チームの提案内容は、車いす利用者に、安全かつ手頃で、柔軟な移動サービスを提供するものであり、既存の公共サービスを補完するものである。提案内容およびデモ画面は、以下のリンクにて公開中である。

  • 提案内容 https://vimeo.com/214441872
  • デモ画面 https://www.youtube.com/watch?v=MT7ID2tOfwA&feature=youtu.be

優勝チームのメンバーであるサリー・シャは「アトランタの障がい者の人々の公共交通機関利用者数は1日あたり2,200人以上である。しかしながらヒアリングの結果、障がいを持つ人々が、自分で思い立った時に自由に移動するための計画を立てる事すら容易でないということが分かった。特に、車いすのまま乗車可能な福祉車両等を所有することが難しい人々を対象とした、柔軟、かつ手頃な価格で利用できるサービスの必要性を確信し、車いす利用者がいつでもどこでも自由に移動できるよう『パラ・ピックアップ』を開発した。」と述べた。

TMNA R&D技術戦略企画室のバイスプレジデントであるクリステン・テーバー氏は次のように述べた。「トヨタでは、コミュニティにおいて移動の不自由に直面する人々に、移動の自由を提供するより良い方法を検討している。 優勝チームは、解決すべき課題を発見し、車いす利用者にとってより多くの移動の機会を提供する素晴らしい方法を考え出した。 彼らの優勝を大いに称えたい。今後も是非活動を継続していくことを期待している。 」

ネット・インパクトのリズ・マウCEOは、「我々の目標は、創造的思考と起業家精神を通じて、若者に社会的課題を解決するためのスキルやツールを提供することである。 『パラ・ピックアップ』は、地域の問題を十分に理解した上で、課題解決のための適切なサービスを提案した。 我々はチームを非常に誇りに思っており、今後の進捗を楽しみにしている」と述べた。

優勝チームは、デジタルメディア、工業デザイン、製品デザイン、機械工学と、多岐にわたる専攻分野の学生から構成されている(※2)。今後、優勝チームは、テキサス州プレイノのTMNA本社ソーシャルイノベーションチームでインターンシップを行い、「パラ・ピックアップ」事業を多面的に詳細検討し、実現可能性を検証した上で、最終提案をTMFへ提出する。TMFは同提案をTMF事業候補として検討する。

なお、最終審査は、最終候補3チームが提出したビデオを基に行われた。TMFおよびネット・インパクトから選出された審査員による事業目的、事業内容、社会的インパクト、実現可能性、創造性、チームのプロジェクト実施能力の6項目に基づいた審査結果に、一般からの公開投票結果を加味して選考された。

※1 「パラ・ピックアップ」のサービスの名称は、公共交通機関で提供されている「パラトランジットサービス」に倣い、通常のサービスとParallel(平行した、もう一つの)に存在するピックアップサービスであることから名付けられた。

※2 優勝チームのメンバーは、サリー・シャ(修士課程、デジタルメディア専攻)、ライリー・キーン(修士課程、工業デザイン専攻)、パラナブ・ネイアー (修士課程、工業デザインおよび製品デザイン専攻)、クリス・ウェン(学士課程、機械工学専攻)。

参考資料

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