2026年5月28日、愛媛県と松山市、今治市及び一般財団法人トヨタ・モビリティ基金の4者は、自転車を活用したまちづくりに関する国際会議「Velo-city2027Ehime」(※1)開催を契機として、自転車利用の普及・拡大、地域活性化、まちづくり、安全利用等の取組を推進し、自転車新文化の更なる拡大・深化を図ることを目的とした連携協定を締結しました。

1.協定締結の背景

 愛媛県では、自転車は単なる移動手段ではなく人々に健康・生きがい・友情をもたらす「自転車新文化」の理念を提唱し、自転車を活用した地域振興と安全利用を両輪として、県内20市町とともに、さまざまな施策を展開してきました。このような中、2027年5月に本県で開催される自転車を活用したまちづくりに関する国際会議「Velo-city2027Ehime」の誘致に日本で初めて成功し、同会議を契機として、自転車活用の更なる促進に向けた議論を加速させ、「自転車新文化」を新たなステージに進めることを目指しています。

 また、トヨタ・モビリティ基金では、企業の枠組みを超えた交通事故死傷者ゼロに向けた取組「タテシナ会議」(※2)自転車・二輪分科会の活動として、安全な自転車交通の実現を目指し、事故を未然に防ぐ技術の実証や、ライフステージに応じた啓発手法の開発に官民連携で取り組んできました。

 一方で、交通事故全体における自転車関連事故の占める割合は増加傾向にあり、2026年4月からは自転車への交通反則通告制度(いわゆる青切符)の適用が開始されたほか、愛媛県内においても、しまなみ海道を中心に外国人観光客による事故やルール・マナー違反が発生するなど、自転車の安全利用をめぐる社会環境に変化が生じています。

 こうした点を踏まえて、愛媛県と、Velo-city2027Ehimeの開催地である松山市、しまなみ海道を有する今治市及びトヨタ・モビリティ基金は、相互に連携して、自転車利用の普及・拡大、地域活性化、まちづくり、安全利用等の取組を推進し、自転車新文化の更なる拡大・深化を図ることを目的に、本協定の締結を行う運びとなりました。

締結式の様子

2.取組内容

 本協定では、Velo-city2027Ehimeの開催を見据え、地域住民、国内外のサイクリストが安全に自転車を利用できる環境づくりを進めます。先進技術による事故リスクの低減、誰もが理解しやすい通行案内、次世代への実践的な安全教育等を通じて、愛媛県が掲げる「自転車新文化」の更なる拡大・深化を目指します。

(1)先進技術を活用した交通事故低減に向けた大規模実証(松山市)

 松山市内の見通しの悪い交差点等において、出会い頭事故のリスク低減を目指し、ITSスマートポールを活用した実証を行います。
 本実証では、交差点周辺の電柱等にセンサー及びLEDディスプレイを設置するとともに、地域の高校生等の自転車利用者及び自動車側にITS車載器を配布します。交差点で衝突する危険が高まる可能性を検知し、ITS車載器又はLEDディスプレイを通じて注意喚起を行うことで、利用者が危険を早期に認識し、安全な行動を取れるかを検証します。
 これにより、事故を防ぐうえで重要な交差点の安全確認を、道路インフラの活用や交通参加者同士の連携により支援できる可能性を検討します。

ITSスマートポールを活用した出会い頭事故削減の技術

(2)外国人観光客を含むサイクリストの自転車利用空間の改善・ルール周知(今治市)

 しまなみ海道をはじめとする今治市内のサイクリング環境において、外国人観光客を含むサイクリストが、日本の自転車通行ルールを直感的に理解し、安全に走行できる環境づくりに取り組みます。昨年12月に実施した調査では、海外からのサイクリストにおいて、自転車の「二段階右折」や「左側通行」に関する認知が十分でないことが確認されました。
 こうした状況を踏まえ、対象となる交差点において、道路案内や路面標示を工夫し、言語に依存しない視覚的・直感的な案内によって、安全な通行を促せるかを検証します。
 また、道路対策に加えて、日本の自転車利用ルールや地域に根ざした安全文化を分かりやすく伝える啓発のあり方を検討します。単にルールを周知するだけでなく、地域住民と来訪者が共に安全で快適な自転車利用環境をつくるという考え方を大切にしながら、愛媛らしい自転車文化の発信につなげていきます。

対策のイメージ

(3)中学生に対する自転車安全教育(今治市)

 4月から交通反則通告制度が始まり、適用開始となる16歳の前段階である中学生年代への自転車安全教育がより一層重要となることから、今治市内の中学生を対象に、地域の交通環境を自分たちで観察し、危険を見つけ、対策を考える実践型の教育を実施します。
 本取組では、生徒・保護者・住民等から寄せられた身近な危険箇所を地図に可視化できるシステムを活用し、通学路や生活道路における危険箇所を整理します。さらに、実際の交差点映像の活用や専門家による助言を通じて、生徒自身が危険の要因を考え、安全上の注意点を考えます。
 単に特定の交差点での注意点を学ぶだけでなく、交通の流れ、道路構造などから危険を予測する力を育むことで、場所が変わっても応用できる視点の習得を目指します。

(4)その他、自転車利用の普及・拡大、地域活性化、まちづくり、安全利用等に資する取組

参考資料

※1 Velo-city2027Ehime:
自転車政策決定者、研究者・有識者などが集まり、自転車に関する 学術会議として、都市・交通計画、安全利用、社会課題など様々な議題について議論するとともに、産業会等による展示会、自転車パ レードなどを行い、最新の知見の共有や交流により、自転車の利活用促進を図る国際会議。2026年のイタリア・リミニに続き、日本では初めて愛媛県を舞台に開催。

Velo-city 2027 Ehime | WEB SITE

※2タテシナ会議:
毎年、交通安全に祈りを捧げる蓼科山聖光寺(長野県茅野市)の夏季大祭において自動車や関係する業界のトップ役員が一堂に会すことを受け、2019年に、交通事故死傷者ゼロの実現に向けて思いを共有し、協働するための議論の場として本会議が初開催されました。2023年7月の第2回開催時には、交通安全への想いと交通事故死傷者ゼロに向けた取組をさらに実効性のある活動にしていくための5つの「分科会」も発足しました。

https://toyotamobilityfoundation.jp/activity/tateshina_meeting

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