下肢麻痺者向けの革新的な補装具の開発を支援する「モビリティ・アンリミテッド・チャレンジ」
下肢麻痺者向けの革新的な補装具の開発を支援する「モビリティ・アンリミテッド・チャレンジ」
移動困難者の支援
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下肢麻痺者向けの革新的な補装具の開発を支援する「モビリティ・アンリミテッド・チャレンジ」

車いすや補装具に関する革新的なアイデアをグローバルで公募

トヨタ・モビリティ基金(TMF)とイノベーション推進に取り組む英国NPOのNESTAは2017年、下肢麻痺者の自立した生活の支援と移動の自由に貢献する、革新的な補装具に関するアイデア発掘と開発支援を目的とした「モビリティ・アンリミテッド・チャレンジ」コンテストを実施。優秀作品の審査や試作品の製作支援を経て、2020年に前輪のパワーアシストとAIを活用した重心制御を組み合わせたPhoenix Instinct社の自律制御電動車いすが最優秀作品に選ばれました。

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WHO(世界保健機関)の推定によれば、脳卒中、脊髄損傷、多発的硬化症等により、下肢麻痺者は世界中で毎年25万~50万人程度増加しています。個々人の身体状況や、周辺環境を把握し対応するよりスマートなモビリティ技術により、革新的な補装具が実現する可能性がある一方、補装具は市場規模が小さく、商品化に必要な許認可の取得も容易でないことからイノベーションが起こりにくい状況にあります。

本コンテストではイノベーション促進のため、世界中のイノベーターとユーザーである下肢麻痺者とのコラボレーションを推進し、インテリジェントなシステムを組み込んだパーソナル・モビリティのデバイスの開発を支援しました。
(例:今までにない形状の補装具や、人工知能やコンピューターが自ら学習する機能の搭載、クラウドコンピューティングの活用、革新的なバッテリーが搭載された補装具 等)

AIを活用した自律制御電動車いすを最優秀作品に選定

本コンテストでは試作期間を経て、2019年1月に最終候補の5チームを選定。5チームは本プログラムのテクニカルアドバイザーであるピッツバーグ大学人間工学研究所やNESTA、トヨタ自動車の関連部門等から製品化に向けたアドバイスを受けながら試作品の製作を進めました。

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2020年12月、専門家からなる審査委員会が、技術の革新性、実用性、品質・安全性、製品化の可能性、社会への影響を基準に5チームの試作品を評価した結果、Phoenix Instinct社の自律制御電動車いすを最優秀作品に選定しました。同社の電動車いすは、前輪搭載のパワーアシストとAIを活用した重心制御を組合せて車体の制御を容易にするとともに乗り心地を改善し、また下り坂を検知してブレーキシステムが作動する機構を搭載することで安全面での性能を向上させています。

すべての人が自由に移動できる社会の実現へ

2020年12月17日に開催された最優秀作品の発表イベントでは、国際パラリンピック委員会前会長であるフィリップ・クレイヴァン氏(トヨタ自動車取締役)がプレゼンターとして登壇。「モビリティは人生における様々な制約から人々を解放し、自由をもたらす。移動の自由を実現することによって、すべての人が社会において活躍することが可能になる。」とコメントしました。

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