米インディアナポリスでの交通アクセス改善に向けた取り組み
米国の急速な都市化に合わせて交通アクセスを強化
2020年の米国の総人口は、約3億3千万人で、10年前に比べ7.4%に増加しています。各地域では都市化が進んでおり、交通アクセスを改善し、地域モビリティの充実を図っていく必要があると認識しています。
インディアナポリスで、自動運転シャトル、および非接触配送のサービスを開始
2020年、トヨタ・モビリティ基金(以下TMF)は、モビリティのアクセスを改善し、他の地域に拡大するための効果的な対策を示すことのできる都市として、インディアナ州インディアナポリスを選定しました。関係業界とのパートナーシップを通じて、イノベーションを促進し、インディアナ州で高度なモビリティ技術の研究開発の促進を目的に、Together in Motionイニアティブの一環として、2021年6月より活動を開始。
この取り組みは、インディアナ経済開発公社(IEDC: Indiana Economic Development Cooperation)と、エネルギー・システム・ネットワーク(ESN)と協力し進め、地域の皆様のご意見を踏まえ、人や物の移動の改善を中心に、以下2つの活動を実施しました。
(1) 自動運転車シャトル
自動運転車技術とシャトルサービスのリーディングカンパニーであるMay Mobility社と共同で、インディアナ州中部で無料の自動運転シャトルサービスの実証実験を実施
① インディアナポリス
- 高速バス駅を起点に、インディアナポリスのダウンタウンの西側まで、9つの指定された停留所を活用しサービスを提供(2021年6月~11月)
- シャトルサービスには、May Mobility社の自動運転技術を搭載したレクサスRX450h5台、車いす対応用のポラリスGEM1台を活用
② フィッシャーズ(郊外)
- 2021年11月より、インディアナ州フィッシャー市周辺のニッケルプレート地区でも同様の実証を実施(~2022年6月)
- このシャトルサービスは、市の歴史の中で初めて提供された公共交通機関として活用
この実証実験を通じて、自動運転のシャトルサービスを既存の公共交通機関のルートに組み込むことにより、新規利用者が増え利便性が向上することや、自動運転の運用性能の向上が可能であることが確認できました。
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自動運転シャトル
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インディアナポリス内停留所
(2) 非接触配送
- インディアナポリスの東地区にて、自動運転開発のスタートアップ企業であるUdelv社がトヨタシエナに自社の自動運転貨物技術(uPod)を搭載し、商品配送の実証実験を実施(Patch for Hunger, Southeast Community Serviceの2つの非営利団体と協力)
非接触配送は、コロナ禍で需要が高まり、食料調達に困っている移動困難者への支援に役立ち、配達回数が従来の2倍になりました。(30以上の家庭に、毎月1,125ダースの卵、6,000の食事、家庭用品、食料品を配達)
非接触配送車両
(Udelv社のプレス・リリースより引用)
より良い都市交通システムの実現に向けて
今後は、Together in Motion イニシアティブで得た学びを踏まえ、他の地域に取り組みを展開し、既存の公共交通機関の活用拡大による、地域交通の利便性の向上と利用者の増加を目指します。