トヨタ・モビリティ基金、東京都大田区と連携し自転車事故削減に向けた協調型ITSの実証実験・地域向けの啓発活動を開始
2024.12.13
一般財団法人トヨタ・モビリティ基金(理事長:豊田章男、Toyota Mobility Foundation、以下「TMF」)は、東京都大田区(以下「大田区」)と、自転車の事故削減に向けた総合的な取り組みを行うことに合意し、12月12日(木)に鈴木晶雅 大田区長出席のもと、覚書の締結式(於:大田区役所)を行いました。
▽本取り組みの背景 近年、国内における交通事故の件数は減少傾向にあるものの、自転車が関わる事故の割合は増加しています(グラフ1参照)。東京都内においてはその傾向が顕著であり、なかでも大田区では2023年に発生した交通事故のうち、自転車が関与する事故が約53.3%を占め、喫緊の課題となっています(グラフ2参照)。 タテシナ会議「自転車・二輪」分科会(※1)では、技術と啓発を融合したアプローチによる安全な自転車交通の実現を目指し、自転車事故を未然に防ぐ技術の開発や、ライフステージに応じた啓発手法の開発に取り組んできました。活動を通じて得た知見をもとに、2024年12月より2026年3月まで、大田区における自転車事故の削減に向けて技術と啓発の両面から実証を行い、対策に繋げていきます。
<グラフ1:日本の交通事故全体に占める自転車事故の割合(出所:警察庁)>
<グラフ2:大田区の交通事故全体に占める自転車事故の割合(出所:大田区)>
▽取り組み内容 (1)インフラ協調型危険回避システム【ITS(※2)スマートポール】を活用した実証実験 本取り組みでは、支柱に取り付けたカメラやセンサーで自転車やクルマの動きを感知し、LEDディスプレイ等を使って自転車利用者や自動車ドライバーに情報を表示するシステムを活用し、信号のない交差点において以下の効果を検証します。 ・衝突の危険がある場合に自転車利用者やドライバーに注意喚起を行うことによる、出会い頭事故の未然防止効果 ・一時停止を遵守した自転車利用者に対して「ありがとう」等のポジティブなメッセージを表示することによる、一時停止ルールの定着効果 なお、ITSスマートポールを活用したポジティブなメッセージの表示によって自転車利用者の一時停止ルールの定着を図る取り組みは、全国初の試みとなります。
<ポジティブなメッセージを表示する際のイメージ図>
(2)ブリヂストンサイクル株式会社による自転車利用者への安全意識向上活動 本取り組みでは、世代別にターゲットを絞った啓発活動を展開します。具体的には、小学生向けの自転車乗り方教室の開催や、幼稚園・保育園などの送り迎えに自転車を利用する子育て世代向けの安全動画を作成・公開し、手軽に学べるコンテンツを区内に広く展開します。
<自転車安全教室の写真>
大田区との取り組みを通じて、区内の安全で快適な自転車利用環境づくりに貢献するとともに、自転車の事故削減につながる仕組みの社会実装に取り組んでいきます。
※1 タテシナ会議:毎年交通安全に祈りを捧げる「蓼科山聖光寺夏季大祭」において自動車や関係する業界のトップ役員が一堂に会す機会を活用した交通安全のための会議。2023年には実効性のある活動に取り組むための5つの分科会が発足 企業の枠組みを超えた交通事故死傷者ゼロに向けた取り組み「タテシナ会議」の活動について|活動内容一覧|一般財団法人 トヨタ・モビリティ基金 ※2 ITS(Intelligent Transport Systems:高度道路交通システム):人と道路と自動車の間で情報の受発信を行い、道路交通が抱える事故や渋滞、環境対策などの課題解決を目指すシステム
トヨタ自動車は創業以来、お客様、ビジネスパートナー、従業員、そして地域社会等、全てのステークホルダーを尊重しながら、自動車を通じた豊かな社会づくりを目指して事業活動を行なっています。そして、より公益的な活動を行うことを目的に、2014年8月、TMFを設立しました。 TMFでは、モビリティを通じた豊かな社会づくりへの貢献に向けて、世界中で移動課題への対応をはじめとした幅広いプロジェクトに取り組んでいます。
TMFは、幅広いプロジェクトを通じて培った技術やノウハウを活用し、多様なパートナーとの協議を通して、国連が定めるSDGs(持続可能な開発目標)の考え方にも沿った活動を進め、持続可能な社会の実現に向けて貢献していきたいと考えています。
参考資料
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