トヨタ・モビリティ基金、インド・コチ市にて 地下鉄の利便性向上に関するアイデアコンテストを実施
2019.01.30
一般財団法人 トヨタ・モビリティ基金(Toyota Mobility Foundation。以下「TMF」)は、2016年12月から推進しているインドの地下鉄の利便性向上に向けたプロジェクトにおいて、インド南部のケララ州にあるコチ市にて、Kochi Metro Rail Limited (以下「KMRL」)と共に、アイデアコンテスト「Kochi Data Innovation Challenge」を実施します。
コチ市は、観光、建設、肥料・化学などの製造、造船業等を有する産業都市で、KMRLが運行する地下鉄は市民の通勤手段としても利用されています。アイデアコンテストでは、地下鉄の利便性向上をテーマに、起業家、IT企業、市民といった様々な立場の方からの応募を受け付けます。コンテストの結果、選ばれたソリューションに対して、実証実験の実施に向けてコチ市が支援を行うほか、TMFの助成事業化の検討を行います。
<プロジェクトの主な取り組み>
- 地下鉄の利便性に関する調査を行い、問題、真因の特定
- 調査結果や、他地域での事例等の共有
- 双方向コミュニケーションが可能なWebサイトにて、様々な専門家から助言や情報を提供
- 様々な立場の方が参加可能なアイデアコンテストの実施
- ソリューションの試行、効果の検証、結果の共有
「Kochi Data Innovation Challenge」公式サイト https://wricitieshub.org/STAMP/
インドにおいて、TMFは2016年12月に、カルナタカ州ベンガルールで地下鉄の利用増加を通じて交通渋滞緩和の寄与を目的としたプロジェクトを実施しました。その後、有効性が認められたソリューションの本格導入に向けて、規模拡大した実証実験を行っています。さらにベンガルールで得たこれまでの学びを活かし、他の都市でも、地元政府、起業家、IT企業、市民といった様々な立場を代表する方々と連携し、革新的なソリューションの創出を目指し、2018年~2021年にかけて合計6都市でのプロジェクトの展開を決定しました。そして、2018年6月に1都市目としてハイデラバード、2都市目としてコチ市での取り組みを開始しました。
TMFは、2014年8月の設立以来、豊かなモビリティ社会の実現とモビリティ格差の解消に貢献することを目的に、タイやベトナム、インド、ブラジルでの交通手段の多様化や、日本の中山間地域における移動の不自由を解消するプロジェクトへの助成のほか、障害者向けの補装具開発を支援するアイデアコンテストの実施、水素研究の助成、人工知能による交通流最適化の共同研究など、世界のモビリティ分野における課題に取り組んでいます。
今後も、トヨタの技術・安全・環境に関する専門知識を活用しながら、大学や政府、NPOや調査研究機関等と連携し、都市部の交通課題の解消、パーソナル・モビリティ活用の拡大、次世代モビリティ開発に資する研究などの取り組みをすすめていきます。
参考資料