岡山県美作市上山地区における移動課題

狙い

岡山県美作市上山地区※にて、過疎化と高齢化により耕作放棄が進んでいた棚田の再生や地域の伝統行事の復活に取り組むNPO法人の活動に対して、移動課題の解決という側面から活動を支援。地域に生活する高齢者や子供の日常生活における移動の不便を解消しながら、農業や観光業による経済の活性化を図り、日本の国土保全にとって重要な役割を担う中山間地域の維持に向けたモデル作りを図る。

※人口約160名、内約40名が移住者。8300枚を超える棚田に囲まれた地域。

活動主体

NPO法人 みんなの集落研究所、NPO法人 英田上山棚田団
美作市 岡山大学 トヨタモビリティ基金

主な施策

  • 現場で活動する二つのNPOが主導し、日常の行事を通して高齢者と若者、地元住民と移住者の繋がりを深めながら、コミュニティの本来機能を徐々に復活。
  • 全住民を対象として、地域課題や移動の現状(行き先、頻度、移動手段等)に関するヒアリング調査を実施。住民参加による議論の場を設け、課題や思い等を共有し、「百歳になっても住み続けられる地域つくり」を目標に施策を設定。
  • その一つとして、日常の困り事(移動、草刈り、子守り等)を助け合う仕組み(助け合いしちゃろう会)を設置。住民それぞれができることで共助。
  • 地元の若者や移住者の定住に向けて重要な条件である現金収入向上に関する 施策を試行。(例:超小型EVのレンタルや観光ツアー)
  • 農林業の重労働軽減のためのソリューション創出に向けたハッカソンを 実施。半自走式の草刈り機を企画・開発
  • 高齢者の日常生活や農作業における超小型EVの活用

成果・示唆

  • 日常の助け合いや祭りなどの行事の担い手として、移住者や来訪者等の関係人口(地域と多様に関わる人々)が拡大し、地域が活性化。流入促進に向けては、住居確保や起業支援策等の充実が必要。
  • 中山間地域における移動課題解決には、移動を含む地域生活全般に関わる仕組みの維持という視点が重要。加えて、人口や経済規模に見合う持続可能性の確保と、人間中心の発想に基づく、楽しさ、やりがい等への配慮を含む対策の実現に向け、住民と行政が一体となって取り組むことが重要。